京丹波町
「丹波八坂太鼓保存会」

心をひとつにして打ち鳴らすダイナミックな演奏「丹波八坂太鼓」

京都八坂神社の神饌田がある京丹波町尾長野に古くから伝わる太鼓で、祇園祭でも奉納演奏されています。地域に伝わる民俗芸能として受け継ぎつつ、時代に合わせた新しい曲の作曲、演奏方法にも意欲的に挑戦しています。疫病退散・五穀豊穣・元気と笑顔の願いを込めて、若手からベテランまで息を合わせて打ち鳴らす演奏は見る人の心にも響き、元気を灯します。

京丹波町「丹波八坂太鼓」
祈りと元気を届ける
笑顔で繋ぐ魂のサウンド

一打、また一打。その重低音は、ただ空間を震わせるだけでなく、聴く者の腹の底、そして心臓の奥深くを直接揺さぶります。
京都府のほぼ中央、京丹波町の地に響き渡る「丹波八坂太鼓」の音は、生きたエネルギーそのもの。それは、古からの祈りを受け継ぎながら、現代を生きる人々の“元気”と“笑顔”を何よりも大切にする、喜びの鼓動です。
この地で世代を超えて育まれ、今も進化を続ける“八坂サウンド”に込められた、熱い想いを紐解きます。

古の祈りを受け継ぎ、
今を生きる音へ

京都八坂神社の分社・尾長野八坂神社(京丹波町)に江戸時代ごろから伝わるという丹波八坂太鼓。農家の働き手である牛に疫病が流行った際、神前で打ち鳴らし、疫病退散を祈願したことが始まりとされています。7月24日の祇園祭還幸祭でも奉納されるため、演奏を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

古来よりその響きに託されてきたのは、五穀豊穣と疫病退散の願い。「五穀豊穣と疫病退散は繋がっています。健康な体でないと美味しいものを食べられない。美味しいのは旬のものです。それを食べるから健康な体になって、疫病退散ができるんです」と、会長は話します。

しかし、彼らの音色の根底にあるのは、厳粛な祈りだけではありません。「昔の太鼓は、苦難の時や戦の時などに打つ存在でもありました。しかし時代は変わりました。今はなんといっても、見る人を励まし、楽しくワクワクするような気持ちにさせたいですね」。太鼓が持つ古からの意義は残しつつ、現代を生きる人々を鼓舞する存在でありたいと語ります。

“日常”だった太鼓が“憧れ”、
そして“出会い”へ

会長が太鼓を始めたのは中学1年生の頃。「地域に太鼓があったから、自然とこの世界に入りました」という言葉には、今では贅沢とも言える豊かな地域環境がそのまま表れています。公民館には太鼓が置かれ、神社の祭りでは太鼓が鳴り響き、家族や近所の大人たちが当たり前のように打っていた――そんな風景があったからこそ、太鼓は“特別なもの”ではなく“生活の一部”だったのです。

丹波八坂太鼓のメンバーは、年齢も背景もさまざま。しかし皆が“太鼓に惹かれた瞬間”を持っています。幼い頃に女性奏者の演奏を見た女性メンバーは、胸をときめかせた瞬間をこう語ります。「女の人がかっこよく打っている姿を見て憧れました。いつか私もあんなふうになりたいと思ったんです」。

また、ある若手メンバーは、転居をきっかけに初めて太鼓に出会いました。「それまでバンドをしていたんですが、こんなに身体に響く音楽があるなんて知らなくて……。あまりに衝撃的で、気づいたら太鼓の前に立っていました」。ベテランの一人は、「太鼓は体力だけでなく心も鍛えられる。皆で音をそろえる難しさに向き合うたびに、自分が少しずつ変わっていきました」と、太鼓を続けることで“自分の変化”を感じていると語ります。

丹波八坂太鼓は特定の誰かではなく、地域全体が育んできた文化。“憧れ”が“出会い”となり、次の世代の心に火を灯していきます。

音に惹かれる
環境を育てる、
継承への取り組み

保存会が目指す継承の道は、次世代が自ずと音に惹かれる環境を創り出すことです。「地元の小学6年生に太鼓の授業を行ったり、中学生向けの太鼓教室も開いています」。子どもたちが幼い頃から太鼓の音に触れ、技術だけでなく、太鼓に込められた地域の文化や精神性を学べる。この機会は丹波八坂太鼓を地域の文化として根付かせるだけでなく、活動の喜びにもなっているといいます。

また、彼らにとっての伝統継承とは、過去の型をただ守ることではありません。「『伝統』と『伝承』は違う。『伝統』は守り伝えてきたものを、その時代の者がもう一度まとめ直し、新しいパワーを吹き込んで次の時代に渡していくことだと思うんです」と会長。この信念のもと、伝統曲を“活かす”形で新しい創作曲を生み出し、太鼓の持つ可能性を広げています。

メンバーの誰かが新曲のアイデアを持ち寄ることから始まるという曲の創作。そこから皆で意見を出し合い、毎年1〜2曲が完成するといいます。「今まである曲が完璧に元の形を継続されているっていうのは多分ないのではと思います。常に時代に合ったリズムにアレンジしている」というメンバー。そう語る笑顔には、継承の義務感ではなく、単純に楽しいから自然とそうなるんだという充実感がありました。

鑑賞ポイント
——伝統と創作が響き合い、
舞台が音と笑顔で結ばれる

「太鼓と花火は生がいい」とは、丹波八坂太鼓への情熱を笑顔で語る会長の談。今回の公演では、古からの願いが込められた2つの伝統曲、新しいパワーが吹き込まれた1つの創作曲が披露されます。

伝統曲と創作曲の異なるサウンド

伝統曲「八坂」と「尾長野」

「八坂」は祇園祭の際に疫病退散を願って奉納されてきた伝統曲で、「尾長野」は京都八坂神社のお田植え祭の時に、神饌田に植えた早苗に力を与えるために打つ奉納曲。神に捧げる楽曲ならではの重厚感と、力強くも心に響く音色が特徴です。

・創作曲「満天の星」

村が収穫期を迎えた秋に、満天の空の下、皆で収穫祭を祝おうよ!という思いを込めて作られました。メンバーが次々とソロを披露する躍動感あふれる曲で、ジャズセッションのような予測不能な展開、自由度の高い音色が渾然一体となる様子に注目です。

意外な主役は「締太鼓」

丹波八坂太鼓の演奏の要は、一見すると脇役のような小さな「締太鼓」です。高い音を発するこの締太鼓が地打ち(リズムの核)を担い、その明確な音を聴きながら、他の大きな太鼓が音を重ねていきます。

笑顔で元気を届ける

「笑顔で打つことで、その楽しさと元気が見る人に必ず伝わる」と、演奏中はどんなにしんどくても常に笑顔!奏者の表情、息遣い、掛け声――そのすべてが舞台の一部です。

目線で交わす無言の会話

太鼓の演奏で一番大切なのは「一体感」。演奏中は当然声を掛け合うことはできないため、アイコンタクトで合図を送り合います。また、誰かがソロパートを打つ時、難しいパートの時などは、メンバー皆が目線で「頑張れ!」と応援して盛り上げます。

祈りの一打が、明日への力になる一打一響

太鼓の音色を通じて現代を生きる人々に元気と喜びを届けたい。そして何より自分自身も楽しみたい。そんな強い想いを胸に、舞台に立つ丹波八坂太鼓保存会の皆さん。その一打は、疫病を払い、五穀豊穣を願う古の祈り。そしてその音の波は、観客一人ひとりの心に、明日への活力という名の光を灯します。どうぞ、会場でこの魂の響きを感じ、彼らが満面の笑顔で打ち鳴らす、一打一響の生命の鼓動を全身で受け取ってください。

チケット

ticket
一般

前売1,500円 / 当日2,000

学生(小学生~大学生)

前売1,000円 / 当日1,500

※学生料金のチケットを購入された場合、学生証や生徒手帳など、学生の身分が証明できるものをご持参ください(小学生は不要です)

※未就学児は無料でご入場いただけますが、保護者の膝の上または、お子様を抱いてご覧ください。

チケットは完売致しました。
厚く御礼申し上げます。今回当日券の販売の予定はございませんので、予めご了承下さい。